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主にPSU活動がメインだと思います!
他には下手糞なイラスト描いたりなんだり・・・。
1st:エヴァンジェ ヒュマ子AF
2nd:バーテックス ビス男FM
3rd:リフレイン キャス子GM
4th:レナ・D・ウィンスレット ニュマ子MF
ユニバースは適当に遊んでます。
どうでも良いブログですが良かったら、見てくださると嬉しい限りですー!
いないとは思いますが、イラストの無断転載はおやめください。
何かあればコメントしてくださるとありがたいですっ
「--------うおおおっ!」
「甘いぞ・・・、もっと前に踏み込んでこいっ」
飛び散る火花、剣と剣がぶつかる音が部屋に響いていた。
そこにはアリオスと黒騎士の2人が戦っていた。
何故2人が戦っているかは数時間前にさかのぼる。
ーガーディンズコロニー総裁室ー
「いきなりの呼び出しすまないね、忙しいところよく集まってくれた。」
そこにはガーディアンズ総裁、ライア・マルチネス総裁が座っていた。
そして総裁の前にアリオス、レナ、カノン、ソル、エリーナの5人が立っていた。
「総裁自らの呼び出しとは、何かあったんですか?」
アリオスが総裁に問いかける。
一呼吸おいて、総裁が口を開く。
「・・・あんたたち、隠してることは無いかい?まぁ、あーだこーだ言いあうつもりはないし言わせてもらおうとするかね。ガーディアンズ襲撃の件・・・あれはお前達の仲間リフレインがやったことだろう。」
「・・・どこでそれを?」
総裁の言ったことにレナが反応した。
「総裁となれば色々あるもんでね。裏からの情報とか嫌でも聞かなきゃいけないのさ。っで、話すことは大体予想はついてるかい?」
「え、えぇっと・・・なんのこと?僕達にどうしろっていうの。」
「しょうがないね・・・お子様にも簡単に分かりやすいよう説明してやる。要はお前達でこの件を片付けてこいってことだ。リフレインの件含めその一味を倒して来い。以上だ・・・他に質問はあるか?」
カノンの問いに総裁はおおざっぱだが、簡単に答えを出した。
つまり、リフレインが組している組織、一味を5人の力で解決しろと言うわけだ。
「ですが~、その一味の潜んでいる精確な場所が分からないんですが~。」
質問という形で問いを出したのはエリーナだった。
エリーナの言うとおり確かに場所が分からなければ倒す以前の問題だ。
その問いにニヤリとし、総裁が答える。
「それなら問題ない。これがデータだよ、精確な情報だ。信頼して良い、頼れる2人の人物からの贈り物だからね。」
「確かに受け取った・・・。その2人もガーディアンズなのか?」
「あぁ、そうだよ。既に向こうに潜伏してるらしいから、機会があれば会うだろうね。」
データを受け取る際、ソルの問いに総裁は手際よく答えてみせた。
「しかし・・・何故、私達なんですか?別に私達でなくても大丈夫なはずでは。」
レナが1つ疑問に思っていることを総裁に問いたざす。
「そうだな、理由は3つ。1つ、お前達がリフレインとの関係があるため。これはお前たちなら彼女をなんとかできると判断してのことだ。2つ、ガーディアンズが絶対数足りないためだ。リフレインに襲撃されて、ガーディアンズの大半は負傷、戦死している。3つ、その一味との一番関係があるのがお前達だからだよ。それと奴らはイルミナスと言うらしい。」
「イルミナス・・・リフレインがいる組織。了解しました、私達5人がその任務引き受けます。必ずイルミナスの野望を打ち砕きます!」
総裁の答えに疑問が晴れ、レナが頷きながらその任を請け負った。
他の4人も頷き、同じ答えを返す。
「よし、あんた達頼んだよ!・・・それとちゃんと生きて帰ってこいよ。向こうは何をしてくるか分からないんだからね、十分注意していきな。」
そう総裁が言うと5人は総裁室を出て行った。
ーモトゥブ・イルミナス基地内部ー
5人はイルミナス基地があるというモトゥブにやってきた。
得られたデータ通りイルミナスの基地を発見・・・また、内部への侵入に成功。
しかし、とある大部屋に入って当たり一面暗くなり次に明るくなった時にはアリオス以外の4人は消えていて、目の前には黒騎士が立っていたのだ。
有無を言わず最初に黒騎士が斬りかかって戦闘の火蓋は切って落とされた。
「ーーーあんたイルミナスの仲間なんだろ?!なんであの時俺を殺さなかった!?」
「・・・・・・。」
アリオスの問いに黒騎士は何も答えない。
その反応に苛立ちをつのるアリオス。
「あんたの腕なら人だって救えるのに・・・!何故こんなことをしてるんだっ!?」
ソード同士がぶつかり合い重い音が響く。
空中で斬りあい、地面に足が付いた途端飛びのく両者。
そして激しいつばぜり合い。
アリオスが戦闘中重い言葉を口にする。
「俺の家族はSEEDに殺された。ガキの頃、SEEDが襲ってきた日を今でも覚えている。両親は俺をかばい死んでいった・・・。その時、助けてくれたガーディアンズの人がいたんだ。俺はその人みたいに人の手助けをできたら・・・俺みたいな人を増やさないためにもガーディアンズになったんだ!だから・・・俺は皆を!!グラールを守れるよう戦っているんだ!」
「君にはそのような理由があるのか・・・。だが、私とて事情がある。引けぬ事情がなっ!!」
黒騎士も強く重い言葉を返す。
次第に2人の剣捌きが早くなる。
アリオスがソードを縦に振り下ろすと黒騎士はそれを受け止め、それを押し返す。
押し返した瞬間に斜め上からの斬激。
それを一歩後ろに飛びのいて回避し、アリオスがソードを突き刺すような形で突撃。
一進一退、服は多少削がれ斬られてはいないものの、かすった程度の切り口が顔や、体、足についていた。
「ーーーハァ・・・ハァ・・・。早く皆と合流してイルミナスを潰す!あんたを倒した・・・その後に!!」
「良いだろう・・・、では勝負だっ。アリオス!!」
アリオスと黒騎士が両者ともにソードを構え走りだす。
アリオスは一風変わった構えをしていた。腰にソードを構え右手で引き抜く形だ。
『はぁあああーーーーーっ!!』
「リミットブレイク!グラビティブレイク・ギアⅠ!!」
「スピニングブレイクッ!!」
互いの技がぶつかり合い、アリオスと黒騎士の立ち居地が逆に変わっていた。
そして、黒騎士の手からソードが飛んでいた。
それは宙を舞い、地面に突き刺さると同時に黒騎士の敗北を意味した。
「ハァハァ・・・、勝負あったな黒騎士さん。」
「そのようだな。さぁ、私を殺せ・・・。」
アリオスが黒騎士の方に振り返り、ソードを納めた。
黒騎士は潔く手を広げ、アリオスに次げた。
「そうはいかない、あんたは事情があるって言ってたな。なんなんだそれは・・・。」
「・・・それは君には関係ないことだ。」
アリオスは黒騎士を殺そうとはしなかった。
そんなことをすればSEEDと同じことだとアリオスは分かっている。
黒騎士の事情を聞き出そうとするが、黒騎士は言い出そうとはしなかった。
が・・・その時不意に、ワープ音と共に1人のニューマンの女の子が現れた。
「ーーーパ、パパッ!?」
「・・・・ス、ステラ?!本当にステラなのか・・・!?」
「もう、パパッたらくっつきすぎだよっ!」
「良かった、本当に。お前がいなければ私は・・・。」
「な、なんだ?どういうわけだ、君は一体。」
いきなりの女の子の乱入によりアリオスは驚きを隠せない。
そして黒騎士がそのステラと言った子を優しく抱きしめ、胸に抱えるようにしながらアリオスに紹介をする。
「・・・この子は私の娘、ステラだ。娘のステラを誘拐され、私はイルミナスに屈服させられていたのだ・・・。私が君に勝たなければステラは殺されるところだった。」
ステラと呼ばれた子はまだ5歳くらいの子か。
綺麗な黒髪をしていて、瞳はブルーでとても澄んでいた。
「そういうことだったのか・・・。しかし、ステラちゃんといったね。なんで君がここにいるんだい?」
「え、えっと、知らないおねぇちゃん2人がね、助けてくれたんだよっ!1人のおねぇちゃんが髪白くて前髪だらーんとしててぇ、もう1人のおねぇちゃんがすっごい大きいのっ!!」
アリオスの問いに素直に答えるステラ。
1人は白髪で髪が前に伸びている、もう1人は背が高い女性、その2人だということ。
「そっかそっか、ありがとうなっ。・・・レナ達じゃないのか。もしかしたら、総裁が言っていた2人か・・・。黒騎士さん、あんたはもうここを脱出した方が良い。後は俺達が引き受ける。」
アリオスはその2人が仲間だと信じて、黒騎士に基地からの脱出を促した。
「あぁ、すまない。アリオス君、君の友人だが・・・リフレインと言ったかね。あのキャストは前々から君達の知っているキャストではないぞ。私が知っているのはそこまでだ。力になれなくてすまない・・・。」
「気にしないこった。俺はあんたのおかげで強くなれた、また機会があれば手合わせ願いたいよっ。じゃあ、皆を助けに行ってくる!ステラちゃんも元気でな!」
「うん、お兄ちゃん頑張ってねぇっ!」
アリオスが黒騎士とステラにニコリと笑ってそれを返した。
そしてアリオスが部屋を出て行くと黒騎士達も脱出するため、部屋を後にした。
ーガーディアンズ個人ルームー
「うっ・・・ここは・・・どこだ。」
アリオスが目を覚ますとベッドに体を預けていた。
そして、そこは明らかに女性の部屋であることが分かった。
部屋は甘く良い香りがしていて、窓から吹きかける風が気持ちよくリラックスさせてくれる。
聞き耳を立てると奥の部屋の方でなにやらリズムよくトントンと何かを切っている音と唄が聞こえてきた。
まるで母親が子供をあやしつけるつけるような子守唄のよう・・・とても綺麗で透き通るような声だった。
そして1人の女性がアリオスの部屋に入ってきた。
「あらぁ~、目を覚まされたんですねぇ~。」
その女性は前にアルテラツゴウグ討伐の時に一緒になったエリーナだった。
アリオスが体を起こすと、エリーナはニコリとアリオスに笑顔をして口を開いた。
「あなたがフォランの滝で倒れているところをソル君が見つけて、ここまで運んできたんですよぉ~。」
「そうか・・・俺はあの後、気を失ってたんだな。」
黒騎士との戦いで意識を失ったアリオスをたまたまフォランの滝に来ていたソルが見つけ、急いでエリーナの部屋まで担ぎ込んできたと言うことだ。
「何があったかは知りませんが、今ソル君がレナさんとカノンさんに連絡を入れてこちらに向かわせているそうですよ~。」
「すまない・・・。色々と迷惑をかけてしまったね。」
「いいえ~、全然構いませんよぉ~うふふ。」
『・・・』
2人の目が合う。
アリオスはエリーナの澄んだ瞳に一瞬ドキリとし、顔を少し赤くした。
エリーナはそれを知ってか知らずか、クスクスと笑った。
「あ・・・その・・・なんだ・・・。ソ、ソルとは同居してるのかな?」
「えぇ~。特に付き合ってるわけではありませんが、お互いの理解が一致した上で住んでます~。」
「そ、そうなんだな。いや、別に少し気になっただけなんだ、ごめん。」
「謝らなくても良いんですよぉ~クスクス。」
2人が話しているところにふいに奥の部屋の開く音が聞こえた。
ドタドタと足音を立てて汗をかいてる2人がエリーナとアリオスがいる部屋に入ってきた。
「アリオス!!大丈夫?!」
「アリオスゥゥー!うわぁぁぁん!」
レナとカノンだ。
レナは落ち着いてるようだが、カノンは号泣ものだ。
「カノン泣くんじゃないよ。俺はホラ、こんな元気だ!よーしよし。」
「だってぇえ~、グスッ。」
アリオスはそう言うと両腕をムンムンっと上げて元気なのをアピールし、カノンの頭を撫でた。
それを安心してかカノンは泣くのをやめた。
「レナも心配かけてすまなかった。」
「問題無いなら良かったわ。ソルから聞いた時はビックリしたけどね。」
「皆揃っているようだな・・・。アリオスも元気そうで何よりだ。」
そこにソルも戻って、5人顔を合わせた。
アルテラツゴウグ以来の5人の顔合わせだろうか。
「あぁ、ソル。色々と迷惑をかけた、ごめんな。」
「そう気にするな、知らない仲ではなかろう。」
「でも・・・、アリオスが倒れるなんて何があったの?それが気になるわ。」
アリオスがソルにひとまず礼を告げる。
そしてレナがアリオスに起こったことを気にしていたように口にそれを出した。
「・・・っと言うわけなんだ。俺にもよく分からないんだがな。どうにもリフレインと関係がありそうとは思う。」
4人にアリオスがフォランの滝で起きた事を話した。
黒騎士という男に襲われ、なぜかアリオスを殺さずその場から姿を消したこと。
5人は考えるが、正直なところ何1つ分からない状況だった。
悩みに悩む中、エリーナがその場に似合わない1つの提案をした。
「とりあえず、夕飯にでもしませんかぁ~。皆さんの分も用意してあるんですよぉ~。」
「え、良いの?それならお言葉に甘えようかしらね。」
「やったぁ、泣いちゃったらお腹ペコペコだよぉお。」
やれやれっと、いった風にアリオスとソルが頭を振る。
茶の間に移動するとテーブルには何やら、見たことが無いような料理ばかりが並んでいた。
カノンがまず手をつけてズズーっとスープにも近いものを飲んだ。
「へぇ~、美味しいねぇ!なんて言うのこれ!!」
「それは味噌汁って言うんですよぉ~。特別なおダシと味噌と言う調味料で味付けしてある、お吸い物なんです~。和と言う独特な料理なものでして、なかなか出回ってはいないんですよぉ~。」
「良いわねぇ、お味噌汁?作り方教えてもらっても良いかしら。」
「はい~、是非レナさんも作ってください~。味は個性が出ますから楽しみですねぇ~うふふ♪アリオスさんそれは肉じゃがって言ってぇ~・・・。」
他にも色々な和の料理が出され、5人は談笑しながら次のミッションに備えその日を終えた。
次回へ続く
「ーーー調整終了。完全とまでいきませんが、ほぼ間違いなくあれは覚醒することはないでしょう。」
「ふん、そうでなくては使い物にならんからな。」
一般兵と赤いキャストがそう言いながら、目の前にあるガラス張りにはられた個室を見ていた。
その中には白い女性キャスト・・・リフレインが座らされていた。
リフレインは何も喋ることもなく。頭をガックリとさげている。
「さて、私はあいつの様子でも見てくるか。ここは任せたぞ。」
「了解しました、マガシ様。」
マガシと呼ばれた赤いキャストの男は長身で肌の色は灰色。
背中にマントのような6つの羽のような飾りをつけていた。
マガシはそれだけ言うと、その部屋を後にした。
ー惑星パルム ホルテスシティ西地区とある喫茶店内ー
「はぁ~い、お・ま・た・せ!お手製セレブケーキとハチミツレモンティーよ。」
「ありがと、ライクさん。うん、やっぱり良い匂いね。」
「わぁ、美味しそうだぁ!食べて良いの?!」
「えぇ、どうぞぉ。できれば私がアナタを食べちゃいたいわぁ~♪」
「ライクさん・・・それはダメですからね。」
「アァ~ン、レナちゃん厳しいんだからぁ。オーホホホホッ!」
ここは喫茶エルディール。
その喫茶店の窓辺の見晴らしが良い所にレナとカノンがいた。
今日は休暇と言うことでレナとカノン、アリオスが行き付けの喫茶店に来ていたのだ。
二人の前に出されたケーキはスポンジケーキの上に生クリームが沢山塗られていて、さらにその上にチョコのパウダーが満遍なくかけられている。
アクセントにイチゴを1つのせているのが実に可愛らしい。
レモンティーも綺麗で良い匂いが場を漂わせる。
喫茶店のマスターの名はライク・エルディール。
男なのだが、口調が男らしからぬ喋り方をしている。
しかも、男好きという・・・まさにオカマと言う人であろう。金髪で赤い瞳、なぜか猫耳の飾りを頭につけている。
店内には彼しかいなず、一人で運営している。
本人いわく、その方がやりやすく良い出会いがありそうだと言うこと。
なんの出会いかは言わずもがなだが、一応ガーディアンズだったということもあり、多くのガーディアンズがここを憩いの場としている。
「そういえばアリオスちゃんが今日はいないわねぇ~。彼はどうしたの?」
「ちょっとミッションで自分の不甲斐なさを実感したとかで・・・1人修行中みたい。」
「全くもう、アリオスちゃんったら。今度来た時思いっきりキスでもハグでもして励ましてあげるわ!」
「・・・ア、アハハハ。アリオスに悪いことしちゃったみたいね。」
アリオスは前のミッションで自分の腕の無さを悔い、フォランの滝で修行をすると言って1人行ってしまったのである。
リフレインが襲ってきた後のミッションでもなかなか調子が出なかったようで、苛立ちを1人抱えていたのだろう。
そこにふいに、カノンが二人の会話に入ってきた。
「レナも早く食べなよぉ、美味しいよー!モグモグッ」
「えぇ、頂くわ・・・。姉さんと、義兄さん元気かしら。」
カノンに促されてレナも食事をとる。
その後も、3人の会話が店内をにぎあわせた。
ーフォランの滝ー
「うっ・・・なんか今、悪寒が走ったな。」
滝の目の前で一人ソードを構えている男がいた・・・アリオスだ。
滝の流れる音が心地よく、空気は澄んでいる。
周りは静かで修行にはうってつけの場だ。時折、鳥の綺麗な鳴き声が聞こえ癒しにもなる。
「・・・あの時、俺は何もできなかった。ただ突っ立っていることしか。他のミッションでも何も・・・。」
「はぁああああ!グラビティ・ブレイク!!」
アリオスがソードを地面に向かって振り下ろすと、怒号なような音とともに滝が割れた。
数秒して滝は元に戻り、また同じ自然のハーモニーを刻みだした。
「くそっ!分かっているのに・・・。こんな考えをしちまうなんて、俺らしくないな・・・。」
「ほう、君がアリオスかね?」
「なっ、誰だ?!」
アリオスが考えをやめようとした時、その場に誰もいなかったはずなのに隣に一人の男性が立っていた。
気配すら感じさせないのは只者ではないとアリオスは感じた。
「私の名は黒騎士。勝手で悪いが、君の腕確かめさせてもらうぞ。」
そう男は名乗り、ソードを取り出してアリオスに斬りかかった。
黒騎士というだけあり、全身が黒い服装で覆われており、カウボーイハットのような黒い帽子をかぶっていた。
「うわ、いきなり何するんだ!・・・まさかお前もリフレインと同じように!?」
「さぁ、どうだろうな?それは君が勝手に思えば良いだけのことだ。」
アリオスは黒騎士の斬激を受け止め、それを押し返した。
その一撃が合図となり、両者とも戦いに集中する。
アリオスが横になぎ払うと黒騎士は軽く高くジャンプし、それを避ける。
ジャンプした黒騎士がソードをアリオスに向かって振り下ろす、それを紙一重でアリオスがかわし回転しながら斜め上から重い一撃をあびせるが、黒騎士がソードでガードする。
受けては返し、避けては攻撃。
いくつもの残激とソード同士がぶつかる音がその場に響く。
「ちぃっ、強いなあんた・・・。同じソード使いとして尊敬するよ。」
「それは光栄だ。君も腕をもっと磨けば良い剣士になる。」
ややアリオスがおされ気味になる。
黒騎士はいたって余裕のようだ。
負けじとアリオスが黒騎士に向かって走り、技を繰り出す。
「くらえ、グラビティ・ブレイク!!」
「スピニング・ブレイク」
「くっ・・・・・・なっ?!」
互いの技がぶつかり合い、一瞬目の前が白く光る。
アリオスが目を開けた瞬間に見た光景は信じられるものではなかった。
それは自分の構えているソードの上に黒騎士が立ってたいたのだ。
重ささえも感じない、まるで曲芸だ。
「まだまだ甘いな・・・ふんっ!」
「ぐふぅあぁああ!」
驚きを隠せないアリオスに横から頭に向かって蹴りをいれる黒騎士。
もろに蹴りをくらったアリオスは数メートル吹き飛び地面に倒れる。
「君を倒すのはもう少し先のようだ。もっと強くなってくれよ?」
「ま、待て!・・・うくっ、ゲホゲホ。」
そう言うと黒騎士は何もなかったようにアリオスの前から姿を消し、アリオスはその場で気を失った。
長い戦いが終わり、4人がレナのところに駆け寄ってきた。
「な、なんなのあれ?!僕初めてみたよぉっ。」
「まさかあんな攻撃ができるなんてな。ビックリしたぞ、レナ。」
カノンとアリオスが驚きを隠せないようだった。
それもそのはずであろう。アルテラツゴウグを倒したテクニックの攻撃は、レナ独自で考えあげ扱えるようにしたテクニックなのだ。
「ちょっと威力強すぎたかしら・・・。でも、そうそう何発も撃てるわけじゃないし、集中しすぎて疲れちゃったわ。」
「なんにせよ、お前のおかげであいつを倒せたことは事実だ・・・。感謝している。」
「すごかったですよぉ~!私もビックリしちゃいましたよ~、ありがとうございますぅ~。」
レナの言葉に続き、少年ビーストと女性ヒューマンが労いと礼の言葉をかけてきた。
「そういえば二人の名前をまだ聞いていなかったな、俺はアリオス。こっちのちっこいのがカノン、彼女はレナだ。」
しっかりとした自己紹介がまだだったためアリオスが軽く自己紹介をした。
「言うタイミングがなかったんたんだ、仕方ないだろう。俺の名はソル・・・。こいつはエリーナだ。改めて礼を言う。」
少年ビーストはソルと名乗り、女性ヒューマンの方を見てエリーナと紹介をした。
そのソルと名乗った少年ビーストは赤く染まった髪をしており、目も同様に紅蓮のように赤かった。
カノンと背の高さは変わらぬようだったが、言葉遣いといい引き締まった顔立ちからみてもまったくカノンとは逆な感じだった。
年齢は大体19か20といったところだろう。
男としては珍しくポニーテールをしているのが印象的だった。
女性ヒューマンのエリーナは、少し茶髪と金髪のまじった色合いの髪の毛をしていた。
目はレナと似ていて淡い緑色の目をしている。
全体的に水色で統一された衣装が綺麗に見え、スラッとしたスタイルは世の中の女性の憧れだろう。
外見上年齢はレナと同じ19歳に見える。
「いや、君達がいなければどうしようもなかっただろう。こちらこそありがとう。」
アリオスがソルの言葉に反応し、手を差し出してきた。
「んっ。」
それを少し照れながらもソルが手を差し出し、握手を交わす。
五人が1つになった瞬間であった。
それから、しばらく話し合ってアリオス達とソル達が同じミッションをうけていることが分かり、支部の手違いだということが判明した。
だが、ソル達が同じミッションを受けていなかったらアリオス達はどうなっていただろうか。
想像するだけでゾッとする。
そんな会話をしてる時、レナは一人既に息をしていないアルテラツゴウグへ近寄り何かを確認していた。
「もしかしてと思ったけど・・・。でも、これは皆には言わない方が良いわね。」
「どうかしたのぉ、レナ。何か分かったなら僕にも教えてよぉっ。」
レナが1人確認していた時、カノンがひっそりと背後から声をかけてきた。
確認に集中しており、背後に回られたことに気付かなかったレナは一瞬体をビクリとして振り返った。
「も・・・もうっ、ビックリするじゃない!心臓が飛び出るかと思ったわ。」
胸に手を当て呼吸を整えてから、レナはカノンを少し睨みつける。
「だってぇ、皆喋ってるのにレナだけなんかコソコソしてるからだよぉ?!」
「うっ・・・ごめんなさい、悪かったわ。さ、皆のとこに戻りましょ、ねっ。」
だが、カノンに本当のことを言われ、言い返せないレナは素直に謝る。
アリオス達三人のとこに戻ろうと二人がその一歩踏み出した途端空気が変わったことに、ハッと気付いたレナ。
「カノンっ!」
「え・・・何、むぎゃぁっ」
いきなりレナがカノンの名を叫ぶと同時に飛び掛り、カノンの顔を胸に埋めこみながら倒れた。
その瞬間、アルテラツゴウグの片方の首が斬り落とされていた。
「ふぅ、危なかったわね・・・。」
「むがっ、むぅ"ぅ"ぅ"、ぐるじぃ"。」
場の異変に気付いたアリオス達がレナ達のところに走ってきた。
・・・が、その光景を見ると深いため息をつく。
「何があった?!大丈夫か・・・って、何してるんだ。」
アリオス達がその場を見ると2人が抱き合ってるようにしか見えなかった。
端から見ると、レナがカノンを無理やり胸に埋めているようだった。
「お前達・・・。そういうのは別のところでやってくれ。」
「なんかラヴラヴな感じですねぇ~、お邪魔でしたでしょうかぁ~。うふふ~。」
「とりあえず、カノンが死にそうだ・・・。離してやってくれないか、レナ。」
ソルとエリーナは冗談交じりながら二人に話しかけ。アリオスはカノンの心配をしていた。
レナはカノンの青ざめた表情に気付かず、ずっと抱きしめていたままだった。
「え?あ、ごめんなさいっカノン。・・・って、違うってば!!誰かに斬りつけられたのよっ。」
「く、苦しかったぁぁ。あ、ありがとおアリオスゥ。」
レナがカノンをようやく開放すると起きた事を言った。
そしてアルテラツゴウグの物陰から誰かが出てきて言ってきた。
「外しちゃったか。でも、それでこそガーディアンズね。アハ。」
そこには白いキャストの女性が立っていた。
両手にセイバーを持っていて、その2つのセイバーはまるで真紅のように赤く染まっていた。
『!?』
ソルとエリーナ以外の三人がその白いキャストを見て反応した。
「な、なんであなたが・・・?!リフレイン!」
そのリフレインと呼ばれた白いキャストはニコニコ笑っていた。
外見は茶髪に、メイドがつけるようなカチューシャをつけていた。
さらに胸を強調したパーツをつけており、目は赤く、ツインテールが特徴的だった。
「お久しぶりだね・・・アリオス、カノン、レナ。それと誰か知らないお二人さん、クスクス。」
「なっ・・・リフレイン、お前どこに行ってたんだ?!何ヶ月も前から姿を現さなくなって俺達心配してたんだぞ。」
アリオス達が心配をしていたことをリフレインに次げた。
だが、次に出た言葉は思いもよらない言葉が返ってきた。
「何も心配ないよ、ここで全員死ぬんだから。さぁってと、誰から殺ろうか迷っちゃうなぁ。アハ、アハハハ!」
「う、嘘でしょ?!冗談にしてはきつすぎるよぉ、リフレイン!」
たまらずカノンが叫んだ。
「冗談でこんなことやらないでしょ、頭大丈夫?カノン。」
「今までのガーディアンズを襲撃していたのはこの私。そして今があなた達の番ってわけ。」
リフレインはカノンの問いに冷たくぶっきらぼうに言い放つ。
その笑顔からは想像できないほどの話し方だ。
「さっきから聞いてれば・・・いい加減にしろよ、この女キャスト。お前が誰だろうがアリオス達の知り合いだろうが知らんが、俺達はここでくたばるわけにはいかないんだよっ。ナノブラストォォォォオオ!」
ソルがリフレインの言葉でキレた。そしてソルはビースト特有であるナノブラストを使いアリオス以上の大きさの獣に変身した。
その姿はまるで鬼のよう。二の腕は岩よりも太く、拳は殴られたらひとたまりもないのが分かるくらいの大きさをしている。
「ふんっ、獣がバケモノに変身しただけで何ができるの、キャハハハッ!」
アリオス達はその場から動けず、ソルが一人リフレインに突っ込む。
変身したソルの大きな拳がリフレインを襲う。
・・・が、リフレインはそれを1本のセイバーで軽く受け止めた。
「こんなものなの?ビーストにしてはえらく非力ね。」
「余裕っぽそうですが、気をつけないとあなたが命を落としますよぉ~。うふふっ。」
真正面からソルの攻撃を受け止めている間に、いつの間にか背後からエリーナがランスでなぎ払ってきた。
しかし、リフレインはそれをもう一方のセイバーを使って受け止めた。
エリーナは笑っているようだが、心なしかその笑顔が怖い。
「あなた、やるじゃない・・・。殺すには惜しいわねぇ。」
「やめなさい、リフレイン!この状況で勝てると思うの?!」
レナがリフレインに戦闘を停止するように促す。
さすがに誰から見ても、5対1の状況で勝てるとは思えない。
「レナ、あなた優しいわね。その優しさがいつか命とりにならないと良いけどね、アハ。」
リフレインがチラっとレナを見つめそう言った。
「余所見するんじゃねぇぞっ!女キャストォオオ!」
「これでチェックメイトですよぉ~。」
ソルとエリーナの攻撃がリフレインの2つセイバーを吹き飛ばし、宙を舞った2つのセイバーは地面に突き刺さる。
状況が悪くなったと見て、リフレインはその場から離れた。
「くっ・・・ちょっとみくびってたわ。今は撤退するしかないか。」
「じゃあ、今日はここまでね。また機会があったら会いましょっ。アハハ!」
そう言って5人をその場に残し、リフレインは消えていった。
ーニューデイズ支部ー
「申し訳ありません。こちらの不手際で2つのパーティーが同じミッションを受けると言うことになっていました。報酬の方は倍で払いましょう。皆さん本当にお疲れ様でした。」
あの後、リフレインが元はアリオス達と一緒にいつもミッションを受けていたことを説明した。
しかし、ある日を境にリフレインとの連絡がパッタリとなくなってしまったのだ。
まさかガーディアンズ襲撃の犯人を言えるはずもなく、支部から出てきた。
「なんか申し訳ないな。俺達のせいでこんなことになってしまって。」
「気にするな・・・。アリオス達のせいではないだろう。それは俺もエリーナも分かってるつもりだ。このことは他言無用にしておこう。」
「ありがと、ソル。あなた達がいなかったら私達はもうこの世にはいなかったかもしれないわ。」
「ソルも、エリーナもありがとぉ。すごい助かっちゃった!」
アリオスの謝罪にソルは気さくな答えを返した。
レナとカノンもお礼を言い、2人に頭を下げた。
「お礼なんて良いですよぉ~。お互い様ってことです~。まさかお知り合いだとは思いませんでしたけどぉ。」
「こいつを渡しておこう・・・。何かあれば呼んでくれ、すぐに駆けつけよう。エリーナ行くぞ。」
「あ、そうですねぇ~。いつでも呼んでくださいねぇ、ではでは~。」
そう言ってソルとエリーナはパートナーカードを3人に渡した。
同じようにアリオス達もカードを交換し、二人を見送った。
「ふぅ、何がなんやらもう訳が分からなくなったな・・・。」
「同意見ね。今回ばかりは疲れたし・・・それにリフレインのことも。」
「どうしちゃったのかな。あんなのリフレインじゃないよね?!」
3人は今回のミッションと襲撃してきたリフレインのことでいっぱいだった。
だが、今は疲れを癒すために帰路につくしかなかった。
そしてこの先起こる激闘を3人はまだ知る由もなかった・・・。
突如ワープしてきた少年ビーストと女性ヒューマンに驚きを隠せない3人。
このミッションは自分達以外受けていないはず。
他に受託者がいたと言うのだろうか。
どうやってここまできたのか。
・・・が、それを考える時間はなかった。
「おい、君達!!君達もガーディアンズなのか!?」
アリオスがワープしてきた二人に向かって叫ぶ。
「あ、はぁ~い。私達もガーディアンズなんですよぉ~。」
それに女性ヒューマンが答える。
ゆっくり喋るその様は育ちの良さを分からせるような感じだった。
だがそれとは裏腹に、女性は自分の背丈以上の大きさのランスを軽々持っていた。
「色々話したいことはお互い同じようだが、のんびり会話してる場合じゃないな・・・。早くアルテラツゴウグを倒すぞ。」
ビーストの少年が急かすように言う。
少年が持っている武器は柄の両端に刃がついているダブルセイバーという武器。
そして二人はアルテラツゴウグに臆することなく向かっていった。
「さっきも言ったとおり、レナは支援。カノンはできるだけ弱点そうな場所を狙って攻撃してくれ!」
「あの二人のここまでの経緯が知りたいとこだけど・・・。今はしょうがないわね。」
「了解!が、頑張っちゃうんだからねぇっ!」
アリオス達もそれに続き、アルテラツゴウグに攻撃を仕掛ける。
『ギュオォオオーン!!』
大きな咆哮をあげたと同時にアルテラツゴウグが2つの頭を下げ、光と闇のブレスを吐いてきた。
そのブレスの威力はすさまじく地面をえぐりながら迫ってくる。
「こんな直線的な攻撃・・・。かわすのは簡単すぎるな。」
「あらあら~、狙いが定まっていませんねぇ。」
だが、ビーストの少年と女性ヒューマンは軽くそれをかわし攻撃を仕掛ける。
「演舞・アブソリュート!」
「ドゥース・マジャーラ!」
ズシャァァァァァ
二人の攻撃はアルテラツゴウグの脚に直撃した。
その武器さばきにおもわず見惚れてしまいそうになる。
しかし、アリオス達も負けてはいられなかった。
「くらえっ!スピニング・ブレイクッ!」
「これはどうかしら・・・。テクニック、メギドッ」
「こう言う時って、頭が弱点なんだよねぇっ!」
アリオスはアルテラツゴウグの懐に入りソードをおもいっきり縦に振り腹部を斬る。
レナは闇属性のテクニックで攻撃。
カノンは弱点であろう頭をライフルで狙って撃つ。
全員が全力を出しながらアルテラツゴウグに攻撃を加えていった。
アルテラツゴウグもブレスやスタンプ攻撃をしかけつつ長い2つの尻尾で攻撃をしてくる。
戦闘開始から数十分・・・。
5人はなんとかアルテラツゴウグからの攻撃をかわしつつ、攻撃を仕掛けていた。
弱ってきているのは見た目でも分かる。
だが、アルテラツゴウグはいまだに倒れる様子はない。
「くっ、なんだこいつは・・・。まだまだ倒れそうにないじゃないか。」
「なかなかタフなモンスターさんですねぇ~。ちょっと疲れてきました~。」
ビーストの少年と女性ヒューマンがアルテラツゴウグが倒れないことに少し焦りを感じた。
アリオス達も必死に攻撃をしているが、倒すまでにはいかないようだ。
「このままじゃ、5人ともアウトだ。なんとか手はないのか?!」
アリオスが皆に向かって叫ぶ。
「なんとかって言われてもぉ!!倒す方法あるの?!」
カノンが逆にその答えを聞き返す。
たしかにそんな手があるなら最初から選んでいるはずだ。
しばらくの沈黙。
その沈黙を一人が破った。
「倒せるか分からないけど・・・。1つだけならあるわ。」
それを言ったのはレナだった。
「何・・・?そんなことがお前にできるのか、女。」
ビーストの少年が怪訝そうな表情で言ってきた。
「それしかないならそれに賭けてみても良いんじゃない。」
ビーストの少年に軽くウインクしてレナが言い返す。
「じゃぁ~、どうすれば良いんですかぁ~?」
「できるだけ時間を稼いでくれるだけで良いわ。合図するから、そしたら皆離れて。」
女性ヒューマンの答えにレナは大雑把な説明をした。
その二人の会話を聞いて他の3人はうなずきアルテラツゴウグへ攻撃を仕掛けていった。
ただ今はレナの言葉に賭けるしかなかった。
「皆を助けなきゃ・・・。私はやれることをやるだけっ。」
レナはロッドを水平に傾けつつ両手で構え、白く輝く光テクニックの玉を杖先に出しチャージをし始めた。
残りの4人はアルテラツゴウグをレナに近寄らせないようにしつつ、攻撃を仕掛ける。
『ギュァァァァアアアン!!』
「レナには近寄らせないんだからねっ!僕達がお前の相手だ。」
「頼もしいな、カノン。それでこそ俺の弟だっ!」
4人が己の全力を出しながら、レナに期待していた。
キュインキュイン
「まだ・・・まだよ・・・。最大出力で撃ち込まない限りは倒せそうにない。」
レナのロッドから出した白い玉は先程とは違い、倍以上の大きさに変わっていた。もはや大玉と言っても良いだろう。
アリオス達4人は気がこちらに向くよう果敢に攻撃は仕掛けて、アルテラツゴウグを誘導していた。
チャージを始めて4~5分が経過しただろうか、レナは一人うなずいた。
「うん、これなら・・・。準備完了よ!!」
合図が出た瞬間4人が離れる。
そして何か巨大な力を出していることを察知したアルテラツゴウグがレナの方向へ振り返る。
「あなたに恨みはないけど・・・ごめんなさい。」
キュインキュインキュインキュゥィィィン
「出力最大!レグランツ・・・バスタァー!」
テクニックの大玉が杖の中へ消えた途端、杖先から円形の紋章陣が浮かび、そこから白く輝く巨大なビームが飛び出る。
ドギュゥゥゥン
まさに雷鳴のような怒号の音が鳴り響いた。
『ギュオオオオオオオオォォォォォォンッ!?』
稲妻のような白いビームはアルテラツゴウグの体を貫通し、巨大な円形をした傷跡を残し地面に倒れた。
後編へ続く