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主にPSU活動がメインだと思います!
他には下手糞なイラスト描いたりなんだり・・・。
1st:エヴァンジェ ヒュマ子AF
2nd:バーテックス ビス男FM
3rd:リフレイン キャス子GM
4th:レナ・D・ウィンスレット ニュマ子MF
ユニバースは適当に遊んでます。
どうでも良いブログですが良かったら、見てくださると嬉しい限りですー!
いないとは思いますが、イラストの無断転載はおやめください。
何かあればコメントしてくださるとありがたいですっ






突如ワープしてきた少年ビーストと女性ヒューマンに驚きを隠せない3人。
このミッションは自分達以外受けていないはず。
他に受託者がいたと言うのだろうか。
どうやってここまできたのか。
・・・が、それを考える時間はなかった。
「おい、君達!!君達もガーディアンズなのか!?」
アリオスがワープしてきた二人に向かって叫ぶ。
「あ、はぁ~い。私達もガーディアンズなんですよぉ~。」
それに女性ヒューマンが答える。
ゆっくり喋るその様は育ちの良さを分からせるような感じだった。
だがそれとは裏腹に、女性は自分の背丈以上の大きさのランスを軽々持っていた。
「色々話したいことはお互い同じようだが、のんびり会話してる場合じゃないな・・・。早くアルテラツゴウグを倒すぞ。」
ビーストの少年が急かすように言う。
少年が持っている武器は柄の両端に刃がついているダブルセイバーという武器。
そして二人はアルテラツゴウグに臆することなく向かっていった。
「さっきも言ったとおり、レナは支援。カノンはできるだけ弱点そうな場所を狙って攻撃してくれ!」
「あの二人のここまでの経緯が知りたいとこだけど・・・。今はしょうがないわね。」
「了解!が、頑張っちゃうんだからねぇっ!」
アリオス達もそれに続き、アルテラツゴウグに攻撃を仕掛ける。
『ギュオォオオーン!!』
大きな咆哮をあげたと同時にアルテラツゴウグが2つの頭を下げ、光と闇のブレスを吐いてきた。
そのブレスの威力はすさまじく地面をえぐりながら迫ってくる。
「こんな直線的な攻撃・・・。かわすのは簡単すぎるな。」
「あらあら~、狙いが定まっていませんねぇ。」
だが、ビーストの少年と女性ヒューマンは軽くそれをかわし攻撃を仕掛ける。
「演舞・アブソリュート!」
「ドゥース・マジャーラ!」
ズシャァァァァァ
二人の攻撃はアルテラツゴウグの脚に直撃した。
その武器さばきにおもわず見惚れてしまいそうになる。
しかし、アリオス達も負けてはいられなかった。
「くらえっ!スピニング・ブレイクッ!」
「これはどうかしら・・・。テクニック、メギドッ」
「こう言う時って、頭が弱点なんだよねぇっ!」
アリオスはアルテラツゴウグの懐に入りソードをおもいっきり縦に振り腹部を斬る。
レナは闇属性のテクニックで攻撃。
カノンは弱点であろう頭をライフルで狙って撃つ。
全員が全力を出しながらアルテラツゴウグに攻撃を加えていった。
アルテラツゴウグもブレスやスタンプ攻撃をしかけつつ長い2つの尻尾で攻撃をしてくる。
戦闘開始から数十分・・・。
5人はなんとかアルテラツゴウグからの攻撃をかわしつつ、攻撃を仕掛けていた。
弱ってきているのは見た目でも分かる。
だが、アルテラツゴウグはいまだに倒れる様子はない。
「くっ、なんだこいつは・・・。まだまだ倒れそうにないじゃないか。」
「なかなかタフなモンスターさんですねぇ~。ちょっと疲れてきました~。」
ビーストの少年と女性ヒューマンがアルテラツゴウグが倒れないことに少し焦りを感じた。
アリオス達も必死に攻撃をしているが、倒すまでにはいかないようだ。
「このままじゃ、5人ともアウトだ。なんとか手はないのか?!」
アリオスが皆に向かって叫ぶ。
「なんとかって言われてもぉ!!倒す方法あるの?!」
カノンが逆にその答えを聞き返す。
たしかにそんな手があるなら最初から選んでいるはずだ。
しばらくの沈黙。
その沈黙を一人が破った。
「倒せるか分からないけど・・・。1つだけならあるわ。」
それを言ったのはレナだった。
「何・・・?そんなことがお前にできるのか、女。」
ビーストの少年が怪訝そうな表情で言ってきた。
「それしかないならそれに賭けてみても良いんじゃない。」
ビーストの少年に軽くウインクしてレナが言い返す。
「じゃぁ~、どうすれば良いんですかぁ~?」
「できるだけ時間を稼いでくれるだけで良いわ。合図するから、そしたら皆離れて。」
女性ヒューマンの答えにレナは大雑把な説明をした。
その二人の会話を聞いて他の3人はうなずきアルテラツゴウグへ攻撃を仕掛けていった。
ただ今はレナの言葉に賭けるしかなかった。
「皆を助けなきゃ・・・。私はやれることをやるだけっ。」
レナはロッドを水平に傾けつつ両手で構え、白く輝く光テクニックの玉を杖先に出しチャージをし始めた。
残りの4人はアルテラツゴウグをレナに近寄らせないようにしつつ、攻撃を仕掛ける。
『ギュァァァァアアアン!!』
「レナには近寄らせないんだからねっ!僕達がお前の相手だ。」
「頼もしいな、カノン。それでこそ俺の弟だっ!」
4人が己の全力を出しながら、レナに期待していた。
キュインキュイン
「まだ・・・まだよ・・・。最大出力で撃ち込まない限りは倒せそうにない。」
レナのロッドから出した白い玉は先程とは違い、倍以上の大きさに変わっていた。もはや大玉と言っても良いだろう。
アリオス達4人は気がこちらに向くよう果敢に攻撃は仕掛けて、アルテラツゴウグを誘導していた。
チャージを始めて4~5分が経過しただろうか、レナは一人うなずいた。
「うん、これなら・・・。準備完了よ!!」
合図が出た瞬間4人が離れる。
そして何か巨大な力を出していることを察知したアルテラツゴウグがレナの方向へ振り返る。
「あなたに恨みはないけど・・・ごめんなさい。」
キュインキュインキュインキュゥィィィン
「出力最大!レグランツ・・・バスタァー!」
テクニックの大玉が杖の中へ消えた途端、杖先から円形の紋章陣が浮かび、そこから白く輝く巨大なビームが飛び出る。
ドギュゥゥゥン
まさに雷鳴のような怒号の音が鳴り響いた。
『ギュオオオオオオオオォォォォォォンッ!?』
稲妻のような白いビームはアルテラツゴウグの体を貫通し、巨大な円形をした傷跡を残し地面に倒れた。
後編へ続く

ーニューデイズ昇空殿・上層区ー
「くっ、すごい数だな。何体倒したか覚えてないぞ。くらえっ!」
そう言ってリーダーのアリオスが小型モンスターに向かって、ソードを大きく真横に振りながら斬り払った。
斬り払った小型モンスターはチリチリになり消滅した。
「結構多くて嫌になっちゃうわね。体力が持つかしら・・・。ラ・メギドッ!」
「こ、これってどこから沸いて出てるのっ?!倒して進んでも、またどんどん出てくるよっ。」
レナとカノンも自分の得意な武器を手に戦っていたが、次々沸いて出てくるモンスターの数に3人は手こずっていた。
アリオスは前衛系、ファイターで大型武器ソードを得意としている。
ソードは一般的に扱いが難しく、手馴れなファイターでもそうそう扱えるものはいない。
それを扱っているアリオスはベテランガーディアンとして風格を出している。
レナは後方支援系、テクターで長杖、ロッドと呼ばれる武器を使用。
空気中のフォトンをロッドに取り込むことによって、テクニックと言われる魔法を放つ。
回復テクニック、攻撃テクニックはレナにとってはお手の物で、味方の傷を癒したり、相手の弱点属性に合わせて戦うことを得意としている。
カノンは中距離型支援系、主に銃の扱いに長けている。
扱う銃はライフル、ショットガン、ツインハンドガン、グレネード。
どれもこれも威力は絶大、銃の弾はなくこちらもフォトンを取り込んで撃つ仕組みになっている。
外見は子供だが、一度その戦い方を見るとまさに別人のようだ。
「分からない・・・ったく、予想以上だな。二人とも気を引き締めていくぞっ!」
「おっけ、頑張って行きましょ。」
「そうだね!僕達ならやれるさっ。3人いれば怖くない!」
アリオスの言葉と共にレナとカノンは気合を入れなおした。
数時間前・・・
ーニューデイズ支部ブリーフィングルームー
そこにはアリオス含め、レナ、カノンの3人がいた。
オペレーターがミッション内容を説明するとのことだった。
「今回のミッション内容は暴走しているアルテラツゴウグの討伐です。アルテラツゴウグは光と闇の属性混合大型モンスターで、状況に応じて属性を変え攻撃も光と闇で異なる攻撃を行ってきます。討伐は容易なことではないでしょう。」
「ミッションの場所は昇空殿・上層区になります。今はなんとかアルテラツゴウグをそこに誘導し、ある空間に結界を張って留めています。ですが、結界の時間もそう長くは持たないでしょう。・・・何故アルテラツゴウグが暴走したか理由はまだ解明されていません。」
「又、道中に小型モンスター、中型モンスターが出没し行く手を妨害される場合もあると思います。非常に危険なミッションですが、なんとしても暴走しているアルテラツゴウグを討伐して下さい。」
「それと近頃ガーディアンズを襲撃する事件が多発してます。そちらの方にも十分に注意して下さい。・・・どうかお気をつけて。それでは、皆さんに星霊のご加護がありますように。」
そうミッション内容をアリオス達は聞いていた。
だが、小型モンスター、中型モンスターが出てくることは頭に入れていたが、モンスターの数が通常より倍ちかく沸いて出てくるのだ。
いくら数多くの修羅場を潜り抜けてきたガーディアンと言えど、体力の限界もある。
しかし立ち止まってはいられない・・・。
暴走しているアルテラツゴウグが結界を破ってニューデイズの街へ向かえば混乱は免れない。
建物が破壊され、関係ない人達まで巻き込み、尊い命が犠牲になるのは決して許されることではない・・・。
アルテラツゴウグが暴走した理由が気になるが、理由が分からない以上討伐せざるをえない。
「ハァ・・・ハァ・・・、もう少しだな。二人とも大丈夫か?」
もうかなりアルテラツゴウグが閉じ込められている空間まで近づいた時、アリオスが心配して二人に声をかけた。
「・・・はふぅ、なんとかね。でも、こんなに大変なミッションは久しぶり。」
「ぼ、僕もう駄目かもぉ・・・、うぅ。」
レナはまだまだ余裕がありそうだったが、カノンの疲労が限界のようだった。
カノンは大の字に地面に突っ伏しており息が切れていた。
「申し訳ないが、レナ。レスタをかけてくれないか?それで大分持つだろう。」
アリオスからの願いを、レナはすぐに返答した。
「えぇ、大丈夫。二人ともじっとしててね・・・。テクニック、レスタッ!」
そう言った途端、3人の体中の疲労感が消えていくのが分かった。
レスタとは、疲労と傷、またメンタル面を治癒できるテクニック。
テクニックを使用できるレナがいなければここでお陀仏と言ったところだろう。
「いやっほぉ、さすがレナだねぇっ!もう疲れが吹き飛んじゃったっ。」
「調子にのらないそこ。・・・全くどこまでも可愛い子なんだから。」
カノンの先程まで辛そうな顔が一変して元気になった。
それはもう可愛いくらいの元気な子供にように。
「レナ、ありがとうな。おかげで助かった。これでアルテラツゴウグを討伐できる。」
「全然構わないわ。3人ともお陀仏なんてしたくないしね、クスクス。」
アリオスもレナにお礼を言うと3人は先にある円形状のワープゲートを見つめた。
きっと、あのワープ先にアルテラツゴウグがいるのだ。
「じゃあ、準備は良いか?アルテラツゴウグを討伐するっ!」
『了解っ』
アリオスの合図と共にワープゲートに乗り、瞬時にして瞬間移動したかのように3人が消える。
キュイーン
3人がワープした大空間の先には何もいなかった。
「あっれ、どこにいるの・・・。いないよね?」
カノンが目をパチクリとしてキョロキョロする。
・・・が、いないわけではなかった。
『ギュオォオオオーンッ!!』
突如頭上から咆哮が聞こえ大型モンスター、ディ・ラガンよりもさらに大きいアルテラツゴウグが空を飛んでいた。
2つの頭を持っており、片方が闇、片方が光という反則的な属性を持つモンスター。
外見上は龍と言った方が好ましい。
「ひっ、あんなのと戦うの・・・?!ちょ、ちょっと大きすぎない!?」
「こいつを討伐しないと街の皆が危ないんだ・・・。しっかりしろカノン!レナ、支援頼むぞっ!」
「あのアルテラツゴウグ・・・。ううん、今は仕方ない。ごめんなさい、あなたを倒させてもらいます。」
カノンに激を飛ばし、レナにサポートを指示するアリオス。
レナはアルテラツゴウグから何かを感じていたようだったが、今は討伐が先だった。
アルテラツゴウグが3人を見つけ、下へ降りてくる。
地面が揺らぐほどの衝撃と共に3人の目の前まできた。
アリオス達が武器を構えいざ動こうとした時、突如別の方角からワープしてきた2人がいた。
「あん?先客がいたのか・・・。まぁ、良い。目的は同じようだな?」
「あらぁ~、どうして私達以外にも人がいるんでしょ~~?」
そこには少年ビーストと、女性ヒューマンが武器を構えて立っていた。
中編へ続く

「・・・・・なお、現在ガーディアンズ数十名が、謎の襲撃を受ける事件が起きています。襲われた全員の体にはセイバーのようなもので斬りつけられた跡が残っており、ほぼ即死の状態。」
「ガーディアンズ総帥、ライア氏はこのことを大変遺憾に思い、いち早く犯人を捕まえこのようなことがないよう尽力をつくすとのことです。」
「では、次のニュースです。-----」
プッツン
誰かが静かにニュースがやっていた画面の出力を落とす。
部屋の中にいたのは男性ヒューマン、女性ニューマン、男性ビーストの三人だった。
そのうちのソファに腰をかけていた男性ヒューマンが最初の一言。
「やれやれ、ガーディアンズがまさかこんなことになるとはね。次は自分の番じゃないかと思うと末恐ろしいな。」
その男性ヒューマンの名前はアリオス。
茶髪で蒼色の目をしていて、平均男性ヒューマンよりも少し高めの背をしている。
年齢は20といったところ。
顔立ちが良く、身だしなみが整った姿は女性から見ても男性から見ても俗に言うイケメンと言うやつである。
頭にはゴーグルをなぜかつけている、本人のお気に入りなのだろう。
「犯人は何が狙いなの・・・。ガーディアンズを狙ってくるなんて相当腕に自信がある人なのかしら。」
続けて女性ニューマンが言った。
彼女の名はレナ・D・ウィンスレット。外見は大人っぽいが年齢は19歳。
桃色の髪をしていて、澄んだ緑色の目をしている。一番の特徴はニューマンである長い耳。
白く透き通るような肌、綺麗な顔は男性が見とれるほどの美しさ。
また、スタイル抜群ながら、ミニスカートから露出した美脚がとても印象的だ。
「なんか怖い事件だねぇ。僕も気をつけなきゃっ!あ、危なくなったら助けてくれるよね!?」
男性ビースト・・・いや、まだ少年といったところが正しいか。少年ビーストが2人の後に続けて言った。
彼の名はカノン。背は部屋にあったテーブルよりも低く、アリオスと同じ茶髪。
ビーストのためか鼻は少し先だけが薄黒く、耳はフサフサでまるで犬のようだ。
ナリは小さいが、年齢は17歳。
だが、言葉遣いも幼くまだまだ子供でそれが可愛らしい。
「あははっ、大丈夫だ。俺がそんな絶対危険なめにあわせたりしないから安心しな。可愛い弟分だからな!」
「あらあら、それでも男の子でしょ。しっかりしなきゃだめよ?うふふっ。」
そんなカノンの言葉に、苦笑交じりの笑顔で言葉を返す二人。
「二人してそんな顔して言わなくたってぇ。べ、別に僕一人でも頑張れるんだからねっ!」
アリオスとレナの言葉に頬を膨らませ、顔を真っ赤にして怒るカノン。
そんな他愛の無い会話が、三人の何よりの幸せの時間だった。
しかし、ニュースで起こったことに動揺を隠せてはいない。
ましてや、三人はガーディアンズなのだ。いつ同じようなことにあってもおかしくは無い。
「とりあえず、これからはミッションを受ける時は団体で動いた方が良さそうだな。」
アリオスが冷静に言う。
三人の中でリーダーがアリオスなので、二人も首を縦に振ってうなずく。
「じゃあ、今日はもう遅い。明日はミッションがあるし解散としようか。」
アリオスが解散コールを出す。
それに続けて二人も言った。
「そうね、私も部屋に戻って休息するわ。カノン、一緒に部屋くる?」
「僕も部屋に戻って休むね。・・・って、え?!い、いや・・・ちょ、ちょっと待って!なな、な、何でぇえっ?!」
いきなりのレナのご招待に戸惑いを隠せないカノン。
その顔は頬が赤くなり、多少ニヤけていた。
「冗談に決まってるじゃない、ふふっ。全くこの子はからかいがいがある子ね。」
軽くカノンをイジるレナ。
その会話を笑顔で聞きながら、アリオスも口を挟む。
「おいおい、可愛そうなことするなよ?俺の可愛い弟なんだからっ!」
「はいはい、分かってますよ。じゃあ、おやすみなさい。」
そう言うと、軽く二人にウィンクをしてレナはアリオスの部屋から出ていった。
「全くもう、冗談にも程があるってばぁ!じゃあ、僕も休むね。おやすみアリオス!」
「あぁ、おやすみ。しっかりと休めよ、また明日なっ。」
二人を見送ったアリオスは部屋に戻りシャワーを浴び、髪の毛を乾かしてベッドに身を預けた。
ガーディアンズ襲撃の件を気にしながら、その日を終えた・・・。
ーとある地下実験室ー
「う・・・くっ・・・うぁ・・・うぅ・・・。」
個室の中で、椅子に座らせていた白い女性キャストがいた。
頭、手、足の動きを拘束、頭に何かの装置をセッティングされ苦しそうにもがいていた。
「ふんっ、キャストの癖に涙を流すとはな・・・。こいつで本当に奴らをどうにかできるのか?」
「そ、そのようにあの方から命令されているので、私共には・・・。」
その女性キャストを監視するような部屋に、赤いキャストの男と平凡なパーツ構成をした兵士が数人いた。
「おい、もっと出力をアップして強化しろっ。レベル2からレベル4だ、クックック・・・。」
「は・・・はっ!了解しました。」
赤いキャストの男が兵士達に命令を下すと、女性キャストについている装置の操作をはじめた。
「うぅ・・・うあ・・・んぁ?!うああああああああああああああっ。」
「はっはっはっはっはっ、これであやつらを倒せるなら満足だ!ぶるぁああああああっ!」
赤いキャストの男の笑い声と、女性キャストの悲鳴だけが部屋の中で響いていた・・・。

ーラフォン草原ー
「ギャァァァォォォス!!」
そう断末魔をあげた大型モンスター、ディ・ラガンは倒れた。
「へっ、俺にかかればこんなの楽勝だなっ!」
「馬鹿ね・・・私達の支援無しじゃどうしようもなかったくせに。」
「う、うるせぇ!俺一人でもあんなの余裕だったんだぜ!」
ディ・ラガンを倒したパーティーの男性ヒューマンと女性ニューマンがいがみ合う。
「ま、まぁまぁ・・・二人とも落ち着いて。」
もう一人の男性ヒューマンがおどおどしながら二人の仲裁に入った。
3人でこうやって話しをしているが端から見ても仲が悪いようには見えなく、むしろ仲が良いような印象だ。
「まっ、俺達にかかればどんな敵だって負けることないだろう!」
「また出た、でも悪い気はしないわ。それにしてもこのお馬鹿さんの頭はどうなってるのかしらね、フフッ」
「やれやれ・・・仲が良くて羨ましいくらいですよ。もう時間も無いですし戻りましょう。」
「そうだな、さっさと本部へ帰って報告するかぁ!」
そう言った途端・・・
「キャアアアアアッ!」
『?!』
いきなりの悲鳴に二人が振り向く。
そこには先程まで話していた女性が倒れていた・・・。
訳が分からず混乱する二人。
「お、おい・・・大丈夫か?!」
急いで倒れた女性の所に向かったが背中をバッサリと斬られ、すでに息をひきとっていた。
「な、おい・・・嘘だろ?!嘘だって言ってくれよっ!!!」
「っ・・・誰だ!?こんなことする奴は?!絶対許さねぇっ!!!!」
「お、落ち着いて!まず敵が何者か分からない。うかつに動くのは危険ですよ!」
突如起こったことに男の一人は怒りで我を忘れ、もう一人は冷静に対処していた。
しかし周りにはそれらしき敵と思えるものがいなかった・・・。
「まさか、お前がやったんじゃないんだろうな!?」
「そんなわけないでしょう!なぜ僕がそんなことを・・ひぃぎゃっ!!」
そう言ってもう一人の男が倒れた。
倒れた男の背中にも切り裂かれた傷跡だけが生々しく残っていた。
「くそっ!・・・一体なんなんだ?!姿を現せっ、この卑怯者!」
次の瞬間、シンッと静まり返った空気。
そしてそこに一人の女性キャストが現れた・・・。
「!?お、お前は確か同じガーディアンズの・・・。」
「最終目標確認、排除します。」
「ちょ、ちょっと待っ・・・うああああああああああああああああああああっ。」
その刹那、胸を斬られた男性ヒューマンは断末魔をあげ、ドスンと倒れた。
あたり一面を血飛沫が飛ぶさまはまさに血の噴水という名がふさわしい。
「ミッションコンプリート、次はどうなさいますか。」
その女性キャストが通信機で呼びかけをする。
間もなく、返答が返ってきた。
「了解しました。これより帰還します。」
そう言うと通信を切り、その惨劇が起きた場を見渡した。
3人のガーディアンが倒れているその真っ赤な光景。
まさに地獄絵図。
「・・・何故だろう。涙が止まらない。」
そう言って彼女はその場を後にした。
次回へ続く